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ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)の確定申告を解説します。利益が原則「雑所得」として総合課税になる仕組み、日本円に換えなくても課税される場面、総平均法・移動平均法による所得計算をまとめました。あわせて、損益通算・繰越控除ができない点、令和8年度改正で決まった将来の申告分離課税への移行、経費、税理士の探し方から自分で申告する方法まで扱います。
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一職業別コラム
ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産(仮想通貨)を売却・使用して得た利益は、原則として雑所得に区分され、給与所得など他の所得と合算して税額を計算する総合課税の対象です。所得が大きいほど税率が高くなる累進課税(所得税は5〜45%の7段階)が適用され、これに住民税(地方税)が加わります。申告分離課税で一定税率となる株式やFXとは、この点が大きく異なります。会社に勤めながら取引している給与所得者は、暗号資産を含む給与・退職所得以外の所得の合計が年間20万円を超えると確定申告が必要です(いわゆる20万円ルール)。なお、その年の暗号資産取引の収入金額が300万円を超え、帳簿書類の保存がある場合などは、事業所得に区分されることもあります。
出典・一次情報:国税庁 タックスアンサー No.1524 暗号資産を使用することにより利益が生じた場合の課税関係/国税庁 タックスアンサー No.1500 雑所得/国税庁 タックスアンサー No.2260 所得税の税率
暗号資産の税金でもっとも誤解が多いのが、課税されるタイミングです。円に換えたときだけではありません。利益を認識するのは、次の四つの場面です。①暗号資産を売却して円にしたとき。②暗号資産で商品やサービスを購入(決済)したとき。③保有する暗号資産を別の暗号資産に交換したとき。④マイニング・ステーキング・レンディングなどで新たに暗号資産を取得したとき。この四つの場面で、その都度、利益(所得)を認識します。とくに「暗号資産同士の交換」は、一方を売って他方を買ったものとして扱われるため、円に戻していなくても利益に課税されます。一方、購入して保有しているだけの含み益には課税されません。「円に換えていないから申告は不要」と誤解して、交換や決済で生じた利益を計上し忘れる例が典型的なので注意しましょう。
出典・一次情報:国税庁 タックスアンサー No.1524 暗号資産を使用することにより利益が生じた場合の課税関係/国税庁 暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)
暗号資産の所得は「総収入金額-必要経費」で計算し、必要経費の中心は売却した暗号資産の取得価額(譲渡原価)や売買手数料です。取得価額の計算方法には、総平均法と移動平均法の2つがあります。個人が「所得税の暗号資産の評価方法の届出書」を提出しない場合は総平均法で計算します(届出は、初めて取得した年の翌年の確定申告期限=原則3月15日まで)。取引回数が多いと手計算は煩雑になるため、暗号資産交換業者が発行する年間取引報告書や、国税庁が公開している「暗号資産の計算書(総平均法用・移動平均法用)」を使うと計算しやすくなります。取引履歴がなく取得価額が分からない場合は、売却価額の5%を取得価額とすることも認められています。1年間のすべての取引を漏れなく集計することが、正確な申告の第一歩です。
出典・一次情報:国税庁 暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)/国税庁 暗号資産等に関する税務上の取扱い及び計算書について
暗号資産の利益が雑所得であることには、税額計算上の重要な帰結があります。雑所得の計算で生じた損失は、給与所得や事業所得など他の所得と損益通算できず、翌年以降への繰越控除もできません。損失を翌年以降3年間繰り越せる株式やFX(先物取引に係る雑所得等は申告分離課税で税率20.315%)とは、扱いが対照的です。さらに、暗号資産の証拠金取引(レバレッジ取引)は、FXと形が似ていても申告分離課税の対象外で、総合課税の雑所得になります。ただし、同じ総合課税の雑所得の中であれば、複数の暗号資産取引の利益と損失は相殺できます。
出典・一次情報:国税庁 タックスアンサー No.1500 雑所得/国税庁 タックスアンサー No.1522 先物取引に係る雑所得等の課税の特例
暗号資産の重い税負担は、将来見直される予定です。令和8年度税制改正の大綱(令和7年12月26日閣議決定)に、暗号資産の扱いが盛り込まれました。暗号資産を金融商品取引法上の金融商品と位置づけ、一定の暗号資産(金融商品取引業者に登録された「特定暗号資産」)の譲渡等による所得の扱いも変わります。株式などと同じく他の所得と分離した申告分離課税(税率20%=所得税15%・住民税5%)とする内容です。損失については、翌年以後3年間の繰越控除を認めるとされています。ただし適用は、暗号資産を金融商品として扱う金融商品取引法の改正の施行に連動し、その施行日の属する年の翌年1月1日以後の取引からで、2028年(令和10年)ごろになるとの見方が多いです。それまでの確定申告は、これまでどおり総合課税の雑所得です。対象範囲や開始時期は今後の法令で最終的に決まるため、最新情報は国税庁や税理士でご確認ください。
出典・一次情報:財務省 令和8年度税制改正の大綱(令和7年12月26日閣議決定・一3(2))/財務省 令和8年度税制改正
| 経費項目 | ポイント |
|---|---|
| 取得価額(譲渡原価) | 売却・使用した暗号資産の取得原価。総平均法または移動平均法で計算する。 |
| 売買手数料 | 暗号資産の売却・購入時に交換業者へ支払う手数料。取得価額に含める費用も。 |
| 送金・出金手数料 | 暗号資産の送付や、売上金を銀行口座へ出金する際の手数料。 |
| 回線利用料(通信費) | ネット・スマホ料金のうち、暗号資産取引に係る部分を明確に区分できる場合に算入。 |
| パソコン・周辺機器 | 取引に使うPC等。使用可能期間1年以上・一定額超は減価償却で分割計上。 |
| 損益計算ツール利用料 | 取引履歴の集計・損益計算ソフト(暗号資産の計算サービス)の利用料。 |
| マイニング等の費用 | マイニング・ステーキング等で取得する場合の電気代・機材費など直接要した費用。 |
| 税理士報酬 | 確定申告や損益計算を税理士へ依頼する費用。取引量が多いほど相談価値が高い。 |
※経費該当性は業態・実態により異なります。個別の判断は税理士または所轄税務署にご確認ください。
二探し方総論
確定申告の進め方は、大きく「税理士に依頼する」「自分で申告する」の 2 通りです。ただ、税理士は税目・業種・依頼形態(顧問・単発・スポット相談 等)で得意分野が大きく分かれますので、仮想通貨・暗号資産の確定申告を任せるなら、「自分の業種・状況に合う税理士に確実にたどり着ける方法」で考えるのがコツです。本ページでは、無料紹介(税理士ドットコム)/スポット依頼(ココナラ)/Google マップ/日税連の公式検索/会計ソフトでの自力対応の 5 つの選択肢を順にご案内します。
五マップで探す
「事務所の場所と口コミを見て決めたい」「通いやすい範囲で探したい」という方は、Google マップで「税理士」や「市区町村名 税理士」と検索するのが最短ルートです。レビュー・営業時間・写真・電話番号がその場でわかります。
※ Google マップは事務所の営業時間・電話番号・レビュー・写真を一度に確認できます。ただし掲載順は口コミやレビュー数に依存しますので、仮想通貨・暗号資産の確定申告に強いかどうかは把握しにくい点に注意してください。業種特化で探すなら、上でご紹介した「税理士ドットコム」または次の「日本税理士会連合会 税理士情報検索サイト」の併用が確実です。
七自力で
「税理士に依頼するほどでもない」「まずは自分で確定申告してみたい」という方には、クラウド会計ソフトで銀行・カード連携から e-Tax 送信まで自分で完結する選択肢が現実的です。代表的な 2 サービスをご紹介します。
個人向け
運営:株式会社マネーフォワード
マネーフォワード クラウド確定申告
個人事業主・フリーランス向けのクラウド確定申告ソフト。銀行・カードと自動連携し、仕訳の自動化で記帳作業が大幅短縮。青色申告 65 万円控除に必要な e-Tax 送信までワンストップ。のどか会計事務所は MFクラウド専門。
こんな方に:個人事業主・フリーランス・副業(給与所得+雑所得)の方
八提出先
所得税・消費税など国税の確定申告書は、納税地を管轄する税務署へ提出します。納税地は、原則として住所地です。管轄の税務署と、各署の開庁時間・アクセス・確定申告会場の情報は、姉妹サイトの全国の税務署 確定申告ガイド(nta.nodokaya.jp)で、都道府県から確認できます。
九Q&A
税理士に依頼するか、自分で申告するか。
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