仮想通貨・暗号資産の確定申告 Q&A「仮想通貨・暗号資産の利益を確定申告しなかったら どうなる?」。机に置いたノートパソコンとハードウェアウォレット、隣に積まれた取引履歴の紙束

仮想通貨・暗号資産の確定申告 Q&A

仮想通貨・暗号資産の利益を確定申告しなかったら どうなる?

公開 2026年8月13日 |監修 小野 好聡(公認会計士・税理士)

お答えします

本来の所得税に加えて、無申告加算税延滞税がかかります。割合は、税務署の調査の事前通知が来る前に自分から出したか、調査を受けてから出したかで分かれます。暗号資産の売買に支払調書はありませんが、取引の記録は交換業者と金融機関に残ります。

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解説

くわしい解説

支払調書の列挙に、暗号資産の売買は入っていない

所得税法225条1項は、支払調書を提出しなければならない支払を号ごとに並べています。報酬・料金、不動産の使用料、先物取引の差金等決済などが挙がっていますが、暗号資産の売買はこの列挙に入っていません。交換業者は、支払調書を提出する立場に置かれていないということです。

かわりに置かれているのが、国税通則法74条の7の2の報告の求めです。電子情報処理組織を使用して提供する場を利用して行われる取引について、場を提供する事業者に、取引者の範囲を定めて氏名・住所・番号の報告を求めることができます。この求めは、国税に関する調査について必要がある場合に、条文が定める要件に該当するときだけ行われます。国内の交換業者は、口座の名義と取引の記録を持っています。

海外の取引所へ資金を動かすときは、金融機関を通ります。政令で定める金額を超える国外送金と国外からの送金の受領については、金融機関が国外送金等調書を税務署へ提出します。

期限を過ぎてから出すと、何が足されるか

申告していない年をあとから申告すると、期限後申告として扱われ、納める所得税に無申告加算税が上乗せされます。

割合は、出す時期で三段階です。調査の事前通知の前に自分から出した場合は5パーセント。事前通知の後、調査による決定を予知する前に出した場合は10パーセントで、令和6年1月1日以後に法定申告期限が到来するもの(令和5年分以降)については、50万円を超え300万円までの部分が15パーセント、300万円を超える部分が25パーセントになります。

調査を受けた後に出した場合や、税務署から決定を受けた場合は15パーセントで、50万円を超える部分が20パーセントです。300万円を超える部分が30パーセントになるのは、こちらも令和5年分以降です。相場が動いた年に利益が集中していると、上の段の割合が当たる部分が大きくなります。

調査の事前通知の前に自分から出した場合が5パーセント、事前通知の後で決定を予知する前が10パーセント、調査を受けた後や決定を受けた場合が15パーセントとなり、後の二つには50万円を超える部分と300万円を超える部分に高い割合が適用されることを示した図。
無申告加算税の割合は、期限後申告をいつ出したかで三段階に分かれます。

延滞税は日数で増え、隠せば重加算税になる

期限後申告で納める税金は、申告書を提出した日が納期限です。ここに、納付の日までの延滞税が加わります。利益が出た年から時間がたつほど、日数の分が積み上がります。

取引の一部を除いて申告した場合や、記録を作り変えた場合は、無申告加算税に代えて重加算税が課されます。国税通則法68条2項は、その割合を納付すべき税額の百分の四十と定めています。調査による決定を予知せずに自分から出した期限後申告は、条文の括弧書きでこの重加算税から除かれています。

計算が難しくて申告できていなかった場合と、事実を隠した場合とは、扱いが分かれます。

さかのぼるのは5年、不正があれば7年

国税通則法70条1項は、更正または決定ができる期間を法定申告期限から5年としています。同条5項1号は、偽りその他不正の行為により税額を免れていた場合を7年としています。

暗号資産の所得は、年ごとに区切って計算します。何年か分をまとめて直すときも、その年に行った売却・交換・決済だけを集めて、年ごとに損益を出します。

取引所からダウンロードできる履歴には、期間の制限があることがあります。いま取り出せるものは、申告する年より前の分も保存しておくと、あとで計算をやり直すときに使えます。

法定申告期限を起点に、更正または決定ができる期間が5年、偽りその他不正の行為により税額を免れていた場合は7年であることを、長さの違う二本の帯で示した図。
更正や決定がさかのぼる期間は5年、偽りその他不正の行為があった場合は7年です。

いま出すと、どこが変わるか

動くのが早いほど、上乗せは小さくなります。調査の事前通知の前に自分から出した期限後申告は5パーセントで、法定申告期限から1か月以内に出し、税金を法定納期限までに全額納めているなど一定の要件を満たすときは、無申告加算税はかかりません。

納める税金そのものは、遅れても増えません。増えていくのは加算税と延滞税ですので、額を小さく収めるには、動く時期を早めることになります。

年間取引報告書は、その取引所での取引が対象です。複数の取引所や海外のサービスを使っている方は、それぞれから取り寄せて合算することになります。使っていない期間があっても、その間の取引が集計から外れることはありません。

一次情報

根拠となる法令・通達・タックスアンサー等(原文)

所得税法 第225条第1項(支払調書及び支払通知書)(抜粋)

第二百二十五条 次の各号に掲げる者は、財務省令で定めるところにより、当該各号に規定する支払(……)に関する調書を、その支払(……)の確定した日(……)の属する年の翌年一月三十一日まで(……)に、税務署長に提出しなければならない。

 居住者又は内国法人に対し国内において第二百四条第一項各号(報酬、料金等に係る源泉徴収義務)に掲げる報酬、料金、契約金若しくは賞金、第二百九条の二(定期積金の給付補塡金等に係る源泉徴収義務)に規定する給付補塡金、利息、利益若しくは差益又は第二百十条(匿名組合契約等の利益の分配に係る源泉徴収義務)に規定する利益の分配につき支払をする者

 前号に該当するものを除くほか、国内において不動産、不動産の上に存する権利、船舶若しくは航空機(以下この号において「不動産等」という。)の貸付け(地上権又は永小作権の設定その他他人に不動産等を使用させることを含む。以下この号において同じ。)若しくは不動産等の譲渡に係る対価又は不動産等の売買若しくは貸付けのあつせんに係る手数料の支払をする法人又は不動産業者(政令で定めるものに限る。)である個人

十三 居住者又は恒久的施設を有する非居住者が国内において行つた第二百二十四条の五第二項(先物取引の差金等決済をする者の告知)に規定する差金等決済に係る同項に規定する先物取引の同条第一項各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める者

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)(https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000033)/2026-08-12 取得時点
根拠法令等:所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第225条第1項第3号・第9号・第13号
柱書の括弧書きは「……」で省略しています。第1号・第2号・第4号から第8号まで、第10号から第12号まで、第14号および第2項以下は省略しています。

国税通則法 第68条第2項(重加算税)(抜粋)

 第六十六条第一項(無申告加算税)の規定に該当する場合(同項ただし書若しくは同条第九項の規定の適用がある場合又は納税申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正又は決定があるべきことを予知してされたものでない場合を除く。)において、納税者がその国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装し、かつ、その隠蔽し、又は仮装したところに基づき法定申告期限までに納税申告書を提出せず、又は法定申告期限後に納税申告書若しくは更正請求書を提出していたときは、当該納税者に対し、政令で定めるところにより、無申告加算税の額の計算の基礎となるべき税額(その税額の計算の基礎となるべき事実で隠蔽し、又は仮装されていないものに基づくことが明らかであるものがあるときは、当該隠蔽し、又は仮装されていない事実に基づく税額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した税額)に係る無申告加算税に代え、当該基礎となるべき税額に百分の四十の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算税を課する。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)(https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000066)/2026-08-12 取得時点
根拠法令等:国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第68条第2項/過少申告の場合の第1項、不納付の場合の第3項、加重措置の第4項は別掲
第1項(過少申告の場合)、第3項(不納付の場合)および第4項(過去に無申告加算税等を課されている場合の加重)は省略しています。

国税通則法 第70条(国税の更正、決定等の期間制限)(抜粋)

第七十条 次の各号に掲げる更正決定等は、当該各号に定める期限又は日から五年(第二号に規定する課税標準申告書の提出を要する国税で当該申告書の提出があつたものに係る賦課決定(納付すべき税額を減少させるものを除く。)については、三年)を経過した日以後においては、することができない。

 更正又は決定……その更正又は決定に係る国税の法定申告期限(還付請求申告書に係る更正については当該申告書を提出した日とし、還付請求申告書の提出がない場合にする第二十五条(決定)の規定による決定又はその決定後にする更正については政令で定める日とする。)

 次の各号に掲げる更正決定等は、第一項又は前二項の規定にかかわらず、第一項各号に掲げる更正決定等の区分に応じ、同項各号に定める期限又は日から七年を経過する日まで、することができる。

 偽りその他不正の行為によりその全部若しくは一部の税額を免れ、又はその全部若しくは一部の税額の還付を受けた国税(当該国税に係る加算税及び過怠税を含む。)についての更正決定等

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)(https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000066)/2026-08-12 取得時点
根拠法令等:国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第70条第1項・第5項
第1項第2号・第3号、第2項から第4項まで、第5項第2号・第3号は省略しています。第1項第1号は表形式のため、左欄と右欄を「……」で区切っています。

国税通則法 第74条の7の2(特定事業者等への報告の求め)(抜粋)

第七十四条の七の二 所轄国税局長は、特定取引の相手方となり、又は特定取引の場を提供する事業者(特別の法律により設立された法人を含む。)又は官公署(以下この条において「特定事業者等」という。)に、特定取引者に係る特定事項について、特定取引者の範囲を定め、六十日を超えない範囲内においてその準備に通常要する日数を勘案して定める日までに、報告することを求めることができる。

 前項の規定による処分は、国税に関する調査について必要がある場合において次の各号のいずれかに該当するときに限り、することができる。

 この条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 特定取引……電子情報処理組織を使用して行われる事業者等(……)との取引、事業者等が電子情報処理組織を使用して提供する場を利用して行われる取引その他の取引のうち第一項の規定による処分によらなければこれらの取引を行う者を特定することが困難である取引をいう。

 特定事項……イ 氏名(法人については、名称) ロ 住所又は居所 ハ 番号(……)

 所轄国税局長は、第一項の規定による処分をしようとする場合には、あらかじめ、国税庁長官の承認を受けなければならない。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)(https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000066)/2026-08-12 取得時点
根拠法令等:国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第74条の7の2第1項・第2項・第3項第2号・第4項
第2項各号(報告を求めることができる場合の要件)、第3項第1号・第3号、および第5項以下は省略しています。定義の号は表形式のため、用語と定義を「……」で区切っています。

内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律 第4条第1項(国外送金等調書の提出)(抜粋)

第四条 金融機関は、その顧客(公共法人等を除く。以下この項において同じ。)が当該金融機関の営業所等を通じてする国外送金等(その金額が政令で定める金額以下のものを除く。)に係る為替取引を行ったときは、その国外送金等ごとに次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める事項を記載した調書(以下「国外送金等調書」という。)を、その為替取引を行った日として財務省令で定める日の属する月の翌月末日までに、当該為替取引に係る金融機関の営業所等の所在地の所轄税務署長に提出しなければならない。

 国外送金の場合……その国外送金をした顧客の氏名又は名称、当該顧客の住所、その国外送金をした金額、その国外送金に係る前条第一項の告知書に記載されている送金原因その他の財務省令で定める事項

 国外からの送金等の受領の場合……その国外からの送金等の受領をした顧客の氏名又は名称、当該顧客の住所(……)、その国外からの送金等の受領をした金額その他の財務省令で定める事項

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)(https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000110)/2026-08-12 取得時点
根拠法令等:内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律(平成九年法律第百十号)第4条第1項
第2項以下は省略しています。各号は表形式のため、場合の区分と記載事項を「……」で区切っています。

国税庁 タックスアンサー No.2024 確定申告を忘れたとき(抜粋)

所得税法では毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得について、翌年2月16日から3月15日までの間に確定申告を行い、所得税を納付することになっています。

しかし、期限内に確定申告を忘れた場合でも、その事実を把握した際には、できるだけ早く申告するようにしてください。この場合は、期限後申告として取り扱われます。

また、期限後申告をしたり、所得金額の決定を受けたりすると、申告内容等によっては、納める税金のほかに無申告加算税が課されます。

加算税

1 税務署からの調査の事前通知の前に自主的に期限後申告をした場合

税務署からの調査の事前通知の前に自主的に期限後申告をした場合は、納付すべき税金のほかに、納付すべき税金に5パーセントの割合を乗じた金額の無申告加算税がかかります。

2 税務署からの調査の事前通知の後に期限後申告をした場合(調査による決定を予知する前の期限後申告)

(1) 税務署からの調査の事前通知の後に期限後申告をした場合(調査による決定を予知する前の期限後申告)には、納付すべき税金のほかに、納付すべき税金に10パーセントの割合を乗じた金額の無申告加算税がかかります。

ただし、納付すべき税金が50万円を超えている場合、その超えている部分については15パーセントの割合になります。

また、令和6年1月1日以後に法定申告期限が到来するもの(令和5年分以降)については、納付すべき税金が、50万円までの部分は10パーセント、50万円を超え300万円までの部分は15パーセント、300万円を超える部分は25パーセントの割合になります。

3 税務署の調査を受けた後に期限後申告をした場合(調査による決定を予知した期限後申告)

(1) 税務署の調査を受けた後に期限後申告をした場合や税務署から申告納税額の決定を受けた場合には、納付すべき税金のほかに、納付すべき税金に15パーセントの割合を乗じた金額の無申告加算税がかかります。

ただし、納付すべき税金が50万円を超えている場合、その超えている部分については20パーセントの割合になります。

また、令和6年1月1日以後に法定申告期限が到来するもの(令和5年分以降)については、納付すべき税金が、50万円までの部分は15パーセント、50万円を超え300万円までの部分は20パーセント、300万円を超える部分は30パーセントの割合になります。

5 期限後申告であっても、次の要件をすべて満たす場合には無申告加算税はかかりません。

(1) その期限後申告が、法定申告期限から1か月以内に自主的に行われていること。

(2) 期限内申告をする意思があったと認められる一定の場合に該当すること。

なお、一定の場合とは、次のイおよびロのいずれにも該当する場合をいいます。

イ その期限後申告に係る納付すべき税金の全額を法定納期限(口座振替納付の手続をした場合は期限後申告書を提出した日)までに納付していること。

ロ その期限後申告書を提出した日の前日から起算して5年前までの間に、無申告加算税または重加算税を課されたことがなく、かつ、期限内申告をする意思があったと認められる場合の無申告加算税の不適用を受けていないこと。

延滞税

期限後申告によって納める税金は、申告書を提出した日が納期限となりますので、その日に納めてください。

また、この場合は、納付の日までの延滞税を併せて納付する必要があります(延滞税の計算方法については、こちらを参照してください。)

出典:国税庁ホームページ(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2024.htm)/令和7年4月1日現在法令等
根拠法令等:所法120、通法18、35、60、66、通令27の2、措法94、平28改正通法附則54③、令4改正通則法附則20②、令5改正通則法附則23③
加算税の2(2)・3(2)(過去に無申告加算税等を課されている場合の加重)と4(帳簿の提示等がない場合の加重)、および作成コーナーの案内は省略しています。

※引用は原文のままです。読みやすさのため改行位置を調整し、一部を抜粋している箇所があります(編集・加工を行った部分)。最新の内容は必ず出典元のページでご確認ください。

仮想通貨・暗号資産の場合

仮想通貨・暗号資産の場合、ここが分かれ目

日本円に戻していない年は申告が要らない、と考えていた方がいらっしゃいます。暗号資産どうしの交換や、暗号資産で商品やサービスの代金を払ったときも、その時点で損益を計算します。取引所の口座に残高が置かれたままでも、その年に売却や交換をしていれば、その年の所得です。

取引の数が多い方ほど、あとから直すのに時間がかかります。取引所の履歴、送金の記録、ウォレットのアドレスを年ごとに分けておくと、計算の順番が立てやすくなります。使わなくなった取引所の分が抜けやすいところですので、口座を開いた先を先に書き出しておくと確実です。

※実際の取扱いは業態・契約・実態により異なります。個別の判断は税理士または所轄税務署にご確認ください。

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